2012年 06月 17日
アナフィラキシーショック
訴えた側(被害者)は、お茶石鹸の泡立て用に配合された加水分解小麦成分により、重度の小麦アレルギーを発症し、一生小麦成分を口にすることができなくなってしまったという。
小麦アレルギー!
パン、うどん、お菓子、小麦成分を含むものを生涯食べられないばかりか、肌に触れたり粉末状の小麦を吸い込むだけでアナフィラキシーショック(非常に激しいアレルギー症状)を引き起こす。
全身の痒み、痛み、呼吸困難、失神、意識不明、死に至る危険性も高い。
美容と健康によい自然派化粧石鹸、という謳い文句であったために被害者のほとんどは女性であり、日常生活を普通に送るのが困難なほどの深刻な症状に苦しんでいる。
小麦は普通の食生活を送っている人なら1日の食事に必ずと言ってよいほど含まれている食品で、ある意味必要不可欠なものである。
えー私もパンやラーメンが大好き、クッキーも毎日食べてるのにアレルギーなんかにならないよ?なんで?
と思われるかも知れませんが、それは経口摂取(口から食べて分解吸収)です。
今回は何が違うかというと、本来肌や粘膜から吸収するはずのない小麦成分を石鹸の含有物という形で皮膚から摂取してしまったため、
分かりやすく言えば「皮膚が警戒抵抗し、そのアラートに反応して体が変化した」ということです。
体サイドからしたら、至って普通のレスポンスであります。従ってむしろ健康な人の方が強いアレルギー反応を示してしまった。
さらにその石鹸は化粧石鹸であったため中でみんな顔を洗うのに毎朝毎晩それを使用した。
最も素肌に近い状態で、肌や目鼻口の粘膜から吸収してしまったのでした。
一度起きたら二度と元に戻ることはないと言われているこうした外的要因のアレルギーを被害者は生涯背負っていかなくてはならない…。
学生、主婦、まだ未婚の女性も多数いる。人生が狂ってしまったのだ。
さて、この訴訟で被害者は製造メーカーなど3社に対し一人あたり約400万の賠償金を求めている。
400万、安すぎるな!
しかしメーカーらはこれを拒否、「問題の成分を排除した」として現在もお茶石鹸を販売中。
今回の訴えに対しても裁判で徹底的に争う姿勢である。
真矢みきさんは「アサヒのナチュレ、ディア…ナチュレ!」と別な会社のサプリメントCMに出演、また被害者が一生食べることができなくなったラーメンのCMでも笑顔を振りまいている。
ほとんど無名だった悠香のお茶石鹸が売れたのはテレビCMの効果以外の何物でもなく、そのCMで商品イメージを大きく引き上げたのは「いつまでも美しく若々しい真矢みき」さんのイメージ。
やっぱりさ、化粧品は無名な会社のものは怖いよね。
と思われるかも知れませんが、その有名な会社が有名になったのもテレビCM。
化粧品、薬、自動車
これら人の命を預かるアイテムを売る企業は、テレビ業界における巨額のCMスポンサー。
人はCMなどで獲得したイメージや印象をそのままその企業の信頼性や安全性にオーバーラップしやすいのだ。
悠香のお茶石鹸、一個2000円だって~。
石鹸一個が2000円って。高い!
400万、払ってあげりゃいいじゃん、でもそんなものより元の体に戻してくれって思うよね。
結局さ、映像と音声の両方からアプローチできるテレビという媒体、これほど刷り込みに適した媒体は無いよね。
マーケティングの世界ではどうやってプラスイメージを人々(消費者)に刷り込むか?に多額の費用が投下されている。
イメージアップは購買意欲の向上に大きく貢献するからね~。
ああやだやだ。
by fraterkouhou | 2012-06-17 01:07 | 時事話題